創始者 バート・ヘリンガー & ソフィー・ヘリンガー

 1925年ドイツ生まれ。生まれ育った信仰深い家庭環境は、後のナチズム体制に対する免疫をもたらす。ヒトラー青年組織の集会を度々欠席し、ゲシュタポから潜在的危険分子と見なされるも、マリアンヒル宣教会の寄宿学校で少年時代を過ごす。第二次世界大戦中、17歳で徴兵され西部の前線で戦闘に参加。連合軍に捕虜として捕えられるが、一年後に脱走に成功し帰還する。

 

 終戦後、幼少期からの望みであった司祭を志し、マリアンヒル宣教会で神学を学ぶ。その後司祭として南アフリカへ派遣されてから、さらに教育学を修め、高校教師、大学学長を務める。また宣教活動の中でズールー族の言葉を覚え、そのまま生涯をそこで過ごそうと計画するほど全身全霊を捧げる。しかし、そこで後の彼の人生に大きな影響を与ることになった聖公会の伝えるグループ・ダイナミクス(集団力学)と出会い、指導を受ける。

 

 18年間に及ぶ南アフリカ滞在の後ドイツへ異動となり、精神分析を学びながら、集団力学の指導を始める。帰国して2年後の1971年、マリアンヒル修道会を脱退し、司祭の職を退く。最初の妻と結婚し、心理療法家として独立すると、瞬く間にヨーロパで一流の集団力学指導者として認められ、多くの国で彼の講座が好評を博す。その後アメリカに渡り原初療法、交流分析、脚本分析、ゲシュタルト療法、催眠療法、NLP、家族システム療法など多くの心理療法の研究に没頭。それらの多様な心理療法の要素に加え、家系の中でのシステミックな”もつれ”とその解決に関する独自の洞察を統合し、ファミリーコンステレーションとして発展させた。

 2003年には二人目の妻、ソフィーと結婚。その2年前に彼女が設立したHellinger schule(ヘリンガー・スクール)は、2004年にベルギーのジャン・モネ・ヨーロッパ大学と提携し、ファミリーコンステレーションのファシリテーターとして学位を取得する道が開かれた。また洋の東西を問わず様々な療法を取り入れたヘルスケア・センターを運営してきたソフィーの知識と長年の経験による洞察が加えられ、ファミリーコンステレーションは更なる発展を遂げることとなった。それによって心理療法の枠組みを超えた新しい学問分野、Hellinger scienciaという体系に属する現象学的アプローチとして、人生のあらゆる領域における関係性に光を当てる新しいファミリーコンステレーションが行われるようになった。